Japanese
English
研究と報告
再生不良性貧血の治療中に精神症状を呈した1例
A Case of Aplastic Anemia with Psychiatric Symptoms after Administration of Methylprednisolone Pulse Therapy
飯高 哲也
1
Tetsuya Iidaka
1
1関東逓信病院精神科
1Department of Psychiatry, Kanto Teishin Hospital
キーワード:
Aplastic anemia
,
Methylprednisolone pulse therapy
,
Hallucinatory-delusional state
,
Dementia
Keyword:
Aplastic anemia
,
Methylprednisolone pulse therapy
,
Hallucinatory-delusional state
,
Dementia
pp.417-421
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903231
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【抄録】 再生不良性貧血の治療中に幻覚妄想状態,精神運動不穏などを伴うせん妄状態が長期間続き症状の改善後に健忘を主とした痴呆状態となった症例を経験したので報告した。症例は41歳の男性で15歳で同疾患の診断を受け治療を続けていたが精神障害の既往はない。1987年12月にmethylprednisoloneのパルス療法を施行した後幻覚妄想状態となり入院した。haloperidolを中心とした薬物療法で症状の改善をみたが内科へ転科後症状が再燃し精神科へ再度転科した。脳CTでは軽度の大脳皮質萎縮がみられ,脳波所見は基礎律動の徐波化が中心で突発性発作波は認めなかった。最終的に長谷川式簡易痴呆スケールで19点と中等度痴呆を示した。多年にわたる出血傾向や貧血が症状発現に大きな影響を与えたと考えられ,同疾患の合併症として精神神経症状の出現も十分留意すべきものと考えられた。同疾患における精神神経症状の合併は比較的稀であり,文献的にも考察を加えた。
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