Japanese
English
短報
再生不良性貧血の経過中に幻覚妄想状態を呈した1例
A Case of Aplastic Anemia with Hallucinatory-Delusional Symptoms
寺川 裕基
1
,
岩﨑 進一
1
,
井上 幸紀
1
Hiroki TERAKAWA
1
,
Shinichi IWASAKI
1
,
Kouki INOUE
1
1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学
1Department of Neuropsychiatry, Osaka City University, Osaka, Japan
キーワード:
Aplastic anemia
,
Psychosis
,
Hallucinatory-delusional state
,
Delirium
Keyword:
Aplastic anemia
,
Psychosis
,
Hallucinatory-delusional state
,
Delirium
pp.491-495
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205391
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抄録
再生不良性貧血の経過中に幻覚妄想状態を呈した症例を経験した。症例は68歳の男性でX-28年時に同疾患の診断を受け治療を続けていたが精神障害の既往はない。X-5年より被害妄想が出現。X年4月に貧血の治療目的で入院するも妄想による問題行動のため退院となり当院入院となる。頭部画像検査では異常を認めなかった。多彩な精神症状を認め,抗精神病薬の調整を行うが効果は乏しく,かつ副作用も出やすく,診断,治療ともに難渋した。多年にわたる出血傾向や貧血が精神症状発現に大きな影響を与えたと考えられ,同疾患の合併症として精神神経症状も考慮するべきであると考えられた。同疾患における精神神経症状の合併は稀であり,文献的にも考察を加えた。
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