Japanese
English
短報
遅発性ツーレット様症候群の1例
A Case of Tardive Tourette-like Syndrome
國芳 雅広
1,2
,
稲永 和豊
1,2
,
有川 勝嘉
3
,
前田 嘉子
1,4
,
中村 純
1,2,4
,
内村 直尚
4
Masahiro Kuniyoshi
1,2
,
Kazutoyo Inanaga
1,2
,
Katsuyoshi Arikawa
3
,
Yoshiko Maeda
1,4
,
Jun Nakamura
1,2,4
,
Naohisa Uchimura
4
1筑水会病院
2筑水会神経情報研究所
3小倉蒲生病院
4久留米大学精神神経科
1Chikusuikai Mental Hospital and Clinic
2Chikusuikai Institute for Neuroinformation
3Kokura Gamou Hospital
4Department of Neuropsychiatry, Kurume University School of Medicine
pp.1117-1119
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903133
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■はじめに
抗精神病薬は,精神病患者の症状を軽減させ,社会適応を良好にすることには多大の貢献をしてきた。しかし,薬物療法が広く普及された反面,遅発性症候群と呼ばれる副作用が問題となってきた。その中で遅発性ジスキネジアの報告は多く,遅発性アカシジアも最近ではその治療法を含めた報告が散見されるようになった。しかし今回報告する遅発性ツーレット様症候群の報告はいまだ本邦ではみられず,海外の文献でも10例に満たない報告があるのみである。さらにその治療法については遅発性ジスキネジアなどと同様にいまだ確立したものはみられない。
今回我々は精神分裂病の治療経過中に,Gilles de la Tourette's syndromeと同様の音声チックおよび運動性チックを発症した症例を経験したので若干の文献的な考察を試みた。
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