Japanese
English
研究と報告
癌性疼痛に対する精神医学的関与の重要性について
The Importance of the Psychiatric Approach to Pain Syndromes in Patients with Cancer
田中 敏恒
1
,
佐藤 哲哉
1
,
市井 吉三郎
2
,
丸田 宥吉
3
Toshihisa Tanaka
1
,
Tetsuya Sato
1
,
Kichisaburo Ichii
2
,
Yukichi Maruta
3
1新潟市民病院精神科
2新潟市民病院内科
3新潟市民病院外科
1Department of Psychiatry, Niigata City General Hospital
2Department of Internal Medicine, Niigata City General Hospital
3Department of Surgery, Niigata City General Hospital
キーワード:
Cancer pain
,
Organic factor
,
Psychogenic factor
,
Vicious circle
,
Psychiatric approach
Keyword:
Cancer pain
,
Organic factor
,
Psychogenic factor
,
Vicious circle
,
Psychiatric approach
pp.1111-1116
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903132
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【抄録】 進行癌の手術後,原発巣に一致した部位に疼痛が出現し同時に精神症状を伴っていた2症例の治療経過について精神科コンサルテーションの立場から報告した。各々不安状態,抑うつ状態を呈していたが,それらに対して向精神薬を投与し小精神療法を施行することにより,精神症状は軽快しそれに伴い疼痛も軽快していった。以上の経験から癌性疼痛は器質的要因が明らかに存在しても,心因的に荷重され,精神症状と疼痛の間に悪循環が形成された場合,精神医学的に治療することにより疼痛が軽減することがあり得ると考えられた。また終末期医療の重要性が叫ばれている今日,それに対する精神医学からの取り組みが不十分である現状についても言及した。
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