Japanese
English
研究と報告
Triazolam(Halcion®)依存の2症例
Two Cases of Triazolam (Halcion®) Dependence
国芳 雅広
1,2
,
有川 勝嘉
1,2
,
三浦 智信
1
,
中村 純
2
,
稲永 和豊
2
Masahiro Kuniyoshi
1,2
,
Katsuyoshi Arikawa
1,2
,
Chishin Miura
1
,
Jun Nakamura
2
,
Kazutoyo Inanaga
2
1筑水会病院
2久留米大学医学部精神神経科
1Chikusuikai Mental Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Kurume University School of Medicine
キーワード:
Triazolam
,
Self-administration
,
Psychic dependence
,
Physical dependence
,
Benzodiazepines
Keyword:
Triazolam
,
Self-administration
,
Psychic dependence
,
Physical dependence
,
Benzodiazepines
pp.417-421
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204318
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抄録 short-acting benzodiazepineであるtriazolamの依存の2例を経験した。症例1は35歳男性で神経症的不安や不眠を背景としてnitrazepamその他の多剤依存の傾向が生じていたところにtriazolamの自己施用が始まった。triazolamの施用は頻回大量であり,精神的依存に加え断薬時に離脱症状の出現をみ,身体的依存を生じていた。これは断薬時の種々の自律神経症状や精神病様症状に加えて脳波の経時的変化からも支持された。最大施用量は1日80mgであった。症例2は63歳男性で,抑うつ・不眠に対してtriazolamの自己施用が始まった。精神的依存の傾向が強かったが施用量が頻回大量でなかったためか離脱症状はみられなかった。最大施用量は1日5mgだった。
このように比較的安全とされるtriazolamであっても,その施用量が頻回大量であれば精神的依存のみならず身体的依存を生じる可能性もあり,その使用にあたっては慎重を要する。
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