Japanese
English
展望
遅発性錐体外路症候群の治療—遅発性ジストニアの治療を中心に
Treatment of Drug-induced Tardive Extrapyramidal Syndromes: Focussing on the treatment of tardive dystonia
融 道男
1,2
Michio TORU
1,2
1東京医科歯科大学
2メンタルクリニックおぎくぼ
2Mental Clinic Ogikubo
キーワード:
Tardive dystonia
,
Drug-induced tardive extrapyramidal syndromes
,
Treatment
,
Typical/Atypical antipsychotics
Keyword:
Tardive dystonia
,
Drug-induced tardive extrapyramidal syndromes
,
Treatment
,
Typical/Atypical antipsychotics
pp.934-947
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902700
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はじめに
抗精神病薬によって誘発される錐体外路性副作用は,抗コリン薬などに反応を示すし,減量すれば軽快する。しかし,遅発的に生じる錐体外路症候群(extrapyramidal syndrome;EPS)は,減量や中止によって容易に回復せず,治療が難しい。
薬原性である遅発性錐体外路症候群は,遅発性ジスキネジア,遅発性ジストニア,遅発性アカシジア,遅発性トゥレット症候群,遅発性ミオクローヌス,遅発性パーキンソニズムなどを含む。
本稿では,まず最も難治の遅発性ジストニアを選び,その治療について書き,他の遅発性EPS症候群を略述する。
遅発性ジストニアに対しては,最高の治療は予防と言われている。適切な処方が肝要であるが,リスクを熟慮しながら,高用量を使わなければならない時もある。臨床医は,重症な精神病症状への投薬にあたり,苦痛を感じながら緊要の選択をせざるをえない。
遅発性錐体外路症候群の治療について,これからの多くの改善症例報告の蓄積と,よい治療法の発展とを期待している。
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