Japanese
English
研究と報告
いわゆるマタニティブルーの調査—その1.出現頻度と臨床像
A Survey of so-called "Maternity Blues Syndrome": 1. Its prevalence and clinical features
池本 桂子
1
,
飯田 英晴
1
,
菊地 寿奈美
1
,
高橋 三郎
1
,
高橋 清久
2
Keiko Ikemoto
1
,
Hideharu Iida
1
,
Sunami Kikuchi
1
,
Saburo Takahashi
1
,
Kiyohisa Takahashi
2
1滋賀医科大学精神医学教室
2国立武蔵療養所神経センター
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
2National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders
キーワード:
Maternity blues
,
Depression after childbirth
,
Zung's Rating Scale
,
Prevalence
,
Clinical features
Keyword:
Maternity blues
,
Depression after childbirth
,
Zung's Rating Scale
,
Prevalence
,
Clinical features
pp.1011-1018
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204210
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抄録 いわゆるマタニティブルーの頻度,臨床像を明らかにするために,Zung自己評定式抑うつ尺度(ZSDS)を含む多面的な質問表を作成し,近畿地区在住の1,047名の産婦を対象に産後3〜4日目に調査を行った。対照群として,大学生女子290名について同じ質問表で調査した。ZSDSの尺度構成に変更を加えたため,産婦,対照群学生ともに,ZSDSの平均は従来報告されてきた正常者の平均より約10点低い26点であった。対照群学生のZSDSの平均+2SDの36点以上を高得点群とすると,68名(6.5%)がこれに含まれた。したがって,マタニティブルーの頻度は,従来報告されているような高い出現頻度ではなく,10%以下と考えられる。症状項目別に産婦と対照群を比較すると,産婦では心理的抑うつが少なく身体的症状や子供への憂慮が強かった。高得点群で重回帰分析を行うと,マタニティブルーの症状特徴は,てい泣,疲労感,体重減少,自己過少評価,精神運動制止,動悸であった。
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