特集 精神医学と生物科学のクロストーク
[討論]精神医学と生物科学のクロストーク—生物学的精神医学のストラテジーを求めて
内村 英幸
1
,
永津 俊治
2
,
小島 卓也
3
,
彦坂 興秀
4
,
町山 幸輝
5
,
中井 久夫
6
,
米田 博
7
,
倉知 正佳
8
,
中沢 恒幸
9
,
融 道男
10
Hideyuki UCHIMURA
1
,
Toshiharu NAGATSU
2
,
Takuya KOJIMA
3
,
Okihide HIKOSAKA
4
,
Yukiteru MACHIYAMA
5
,
Hisao NAKAI
6
,
Hiroshi YONEDA
7
,
Masayoshi KURACHI
8
,
Tsuneyuki NAKAZAWA
9
,
Michio TORU
10
1国立肥前療養所
2藤田保健衛生大学
3日本大学医学部精神科
4順天堂大学医学部第一生理
5群馬大学医学部精神科
6神戸大学医学部精神科
7大阪医科大学
8富山医科薬科大学
9済生会中央病院
10東京医科歯科大学
1Hizen National Mental Hospital
2Fujita Health University
3Nihon University School of Medicine
4Juntendo University School of Medicine
5Gunma University School of Medicine
6Kobe University, School of Medicine
7Osaka Medical College
8Toyama Medical and Pharmaceutical University
9Saiseikai Central Hospital
10Tokyo Medical and Dental University
pp.621-624
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903677
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司会(融) クロストークというのは,レセプターが他のレセプターや膜成分との間で起こす相互の応答を表す用語ですが,ここではこれを広く解して,生物学的精神医学,基礎医学,精神病理学という離れた研究領域の間の正や負の応答—クロストークを通して,新しいシグナル・トランスダクションが生ずることを期待しています。お招きしたシンポジストは,基礎医学を専攻されている神経生化学者の永津先生,神経生理学者の彦坂先生,精神病理学を専攻されている中井先生,それに生物学的精神医学を専攻されている内村先生,小島先生,町山先生,米田先生,倉知先生です。以上8名のシンポジスト,指定発言者の発表が終わりましたので,これから総合討論に移りたいと思います。はじめに生物学的精神医学領域以外のシンポジストから,ご意見やご提言をいただきたいと思います。彦坂先生どうぞ。
彦坂 サルの生理学的研究で,頭頂連合野の後のMT野を壊すと動きの知覚がなくなるというのがありますが,分裂病では動きの知覚が悪くなると聞きましたので,眼球運動を含めて精神生理学的な検査を多面的に行うことにより何か見つかってくるのではないか。それを遺伝学と組み合わせて考えていけば行動と遺伝との連関がとらえられるのではないか,と思います。
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