Japanese
English
研究と報告
慢性アルコール症者の夜間睡眠の特徴
Characteristics of All-night Polysomnogram of Alcoholics
新ケ江 正
1
,
毛利 義臣
2
,
千葉 茂
2
,
松本 三樹
2
,
武井 明
2
,
太田 耕平
1
Tadashi Shingae
1
,
Yoshiomi Mohri
2
,
Shigeru Chiba
2
,
Miki Matsumoto
2
,
Akira Takei
2
,
Kouhei Ohta
1
1医療法人札幌太田病院
2旭川医科大学
1Sapporo Ohta Hospital
2Department of Psychiatry and Neurology, Asahikawa Medical College
キーワード:
Alcoholics
,
All-night polysomnography
,
Slow wave sleep
Keyword:
Alcoholics
,
All-night polysomnography
,
Slow wave sleep
pp.371-377
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204688
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 離脱直後のアルコール症者6名と1年以上断酒しているアルコール症者13名に対し,終夜睡眠ポリグラフィを施行し,その睡眠構造の特徴を検討した。
離脱後早期のアルコール症者の夜間睡眠の特徴は,①入眠潜時の延長,②全睡眠時間の短縮,③中途覚醒と段階1の増加,④徐波睡眠の減少などであったが,これらの所見の多くは離脱後第14夜には改善された。しかし,段階1の増加と徐波睡眠の減少は,離脱後第30夜においても持続していた。長期断酒者の夜間睡眠の特徴も,①段階1の増加と,②徐波睡眠の減少であり,離脱後第30夜におけるアルコール症者の結果との間に差は認められなかった。さらに,長期断酒者のうちの6名に対し,1年ごとに計3回の終夜睡眠ポリグラフィを施行したが,観察期間中,その睡眠構造に変化は認められなかった。これらの結果から,アルコール症者における睡眠構造の変化は非可逆性である可能性があると考えられた。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.