Japanese
English
研究と報告
うつ病における抗うつ剤に対する治療反応性の予測
Prediction of Response to Antidepressant in Depression
永山 治男
1
,
長野 浩志
1
,
池崎 明
1
,
田代 哲男
1
Haruo Nagayama
1
,
Koji Nagano
1
,
Akira Ikezaki
1
,
Tetsuo Tashiro
1
1大分医科大学精神神経医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Medical College of Oita
キーワード:
Depression
,
Prediction of drug response
,
Dexamethasone suppression test
,
Test therapy
Keyword:
Depression
,
Prediction of drug response
,
Dexamethasone suppression test
,
Test therapy
pp.375-381
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902821
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抄録 うつ病の抗うつ剤治療においてその治療反応性を予測する目的をもって,40名の同病入院患者に4週間にわたってclomipramineによる一定した治療を行った。予測因子としてはHamiltonうつ病評価尺度(HRSD),Beckうつ病評価尺度(BDRS)およびデキサメサゾン抑制試験(DST)を用いた。これにより次の結果を得た。この4週間の間の症状改善度および4週間目の重症度の予測に最も有効なのは,治療開始後最初の1週間のHRSDにおける全般的改善度および1週間目の重症度であった。治療開始前の重症度は予測性を示さなかった。個々の症状には多少の予測性が認められたが上記指標には及ばなかった。BDRSは弱い予測性を示すにとどまった。DSTは予測性を全く示さなかった。以上により,治療反応予測において1週間のテスト治療の有用性が結論された。
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