Japanese
English
研究と報告
デキサメサゾン抑制試験とうつ病の症状,重症度および治療反応予測
The Relationship of the Dexamethasone Suppression Test to Severity and Prediction of Treatment Response in Depression
永山 治男
1
,
長野 浩志
1
,
池崎 明
1
,
田代 哲男
1
Haruo Nagayama
1
,
Koji Nagano
1
,
Akira Ikezaki
1
,
Tetsuo Tashiro
1
1大分医科大学精神神経医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Medical College of Oita
キーワード:
Dexamethasone suppression test
,
Severity of depression
,
Prediction of treatment response
Keyword:
Dexamethasone suppression test
,
Severity of depression
,
Prediction of treatment response
pp.1123-1131
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204598
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抄録 うつ病入院患者(DSM-Ⅲ)30名に,デキサメサゾン抑制試験(DST)およびHamiltonうつ病評価尺度他の臨床状態評価を入院当初とclomipramineによる4週間の治療後の2回行った。DST非抑制は初回テストの15名(50%)が再テストでは6名(20%)に有意に減少した。両回ともに非抑制群は抑制群よりも有意に重症であった。デキサメサゾン投与後の最大cortisol濃度(DST後値)は両回ともに重症度と相関した。DST後値の相関する症状は「内因性症状」が主であったが,診断亜型とは一定の関係を示さなかった。また,初回DSTを用いて4週間後(治療後)の臨床状態あるいは臨床改善度を予測することは不可能であった。以上から,うつ病においてDSTはそれほど特異性の高いテストではなく,治療反応性の予測における有用性も認められないが,臨床重症度を測るテストとしては有用であると考えられた。
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