Japanese
English
研究と報告
対話性幻聴が持続した汎下垂体機能低下症の1例
A Case of Hypopituitarism with Auditory Hallucination in the Form of Dialogue
大原 一幸
1
,
眞城 拓志
1
,
杉浦 卓
1
,
湖海 正尋
1
,
守田 嘉男
1
Kazuyuki OHARA
1
,
Takushi SHINJO
1
,
Takashi SUGIURA
1
,
Masahiro KOKAI
1
,
Yoshio MORITA
1
1兵庫医科大学精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Hyogo College of Medicine
キーワード:
Hypopituitarism
,
Symptomatic
,
Auditory hallucination
,
Schizophrenia
,
First rank symptom
Keyword:
Hypopituitarism
,
Symptomatic
,
Auditory hallucination
,
Schizophrenia
,
First rank symptom
pp.137-142
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902580
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
【抄録】 幻聴が持続する汎下垂体機能低下症の1例を経験した。本例では,意識障害が明らかでなく,精神分裂病でみられるような無名性を帯びた世界,名付け難いsignifiéは持続しては出現していなかったが,実体性が豊かで主題が日常的な対話性幻聴が持続していた。また,幻聴にあわせて口を動かしているにもかかわらず,幻聴の外来性は疑っていなかった。本例の対話性幻聴は,急性外因反応型,幻覚症,および精神分裂病の際の小精神自動症あるいは中安のいう背景思考の聴覚化として理解するよりも,内言語のFrelndheit(他性)化として理解しうるものと考えた。症状精神病においても,内言語の他性化として対話性幻聴は持続して出現しうるものと考えた。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.