巻頭言
担当症例からの展開に期待する
堀口 淳
1
1島根医科大学精神医学講座
pp.1170-1171
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902522
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私の研修医時代には,「徹頭徹尾,症例から学べ」と叩き込まれた。大阪大学をご卒業後,群馬大学で故・江熊要一先生から生活臨床の薫陶を受けられた佐藤勝先生(現・くじら病院副院長)が私の臨床の恩師である。患者の行動観察を第一義とし,行動特性を明らかにし,治療に活用することを信条とすべし。若いうちは患者との「距離」は気にするな,精一杯接近してオーベンから患者を奪えと。担当入院患者と入浴し,就寝までゲームに興じ,毎朝6時にともにグランドを走った。異論はあろうが,この極端から出発した心得が私の臨床の礎となり,現在でも教育,研究の根本姿勢となっている。
現在私が外来で担当している症例を通じて,いくつかの視点や展望を列記したい。
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