Japanese
English
研究と報告
救命救急センターで経験された摂食障害の事故例の検討
Severe Cases of Accident Associated with Eating Disorders
高木 洲一郎
1
,
横田 麻里
1
,
女屋 光基
1
,
市来嵜 潔
2
Shuichiro TAKAGI
1
,
Mari YOKOTA
1
,
Mitsumoto ONAYA
1
,
Kiyoshi ICHIKIZAKI
2
1国立東京第二病院精神科
2国立東京第二病院救命救急センター
1Department of Psychiatry, The Second Tokyo National Hospital
2Emergency Medical Center, The Second Tokyo National Hospital
キーワード:
Eating disorders
,
Accident
,
Suicide
,
Emergency
,
Impulsivity
Keyword:
Eating disorders
,
Accident
,
Suicide
,
Emergency
,
Impulsivity
pp.1265-1271
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904977
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【抄録】 第3次救急医療で経験された摂食障害の事故例7例を報告した。平均年齢は20歳と若い。事故には行動障害による必然的事故と,過食症の偶発的事故がある。前者は自殺2例,自殺未遂4例で,些細なことで短絡的に飛び降りなど極めて危険な手段で自己破壊行動をとっている。したがって本症の一部は,行動障害にも十分に注意が必要である。事故例の危険因子として,過食とパージングがある,親への依存攻撃が激しいなど感情不安定,社会適応レベルも非常に悪い,過去にも事故歴のあるものが多いなどを認めた。multi-impulsive bulimiaとの関連を論じた。このような重症例は,閉鎖病棟での管理,薬物の管理に配慮しながら強力な鎮静作用を持つ抗精神病薬を投与することなどを考慮すべきであろう。また偶発的事故例として,嘔吐するために用いていたフォークを誤嚥し緊急に開腹手術を必要とした1例を報告した。過食症の事故に対する注意を喚起したい。
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