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Seishin Igaku Volume 43, Issue 5 （May 2001）

精神医学 43巻5号（2001年5月発行）

Japanese English

研究と報告

家族による摂食障害症状評価の有用性—日本語版ABOSの信頼性と妥当性の検討 The Utility of the Anorectic Behavioral Observation Scale (ABOS): Its reliability and validity in Japan 上原徹 ¹ , 川嶋義章 ² , 後藤雅博 ³ , 竹内一夫 ⁴ , 三國雅彦 ¹ , Walter Vandereycken ⁵ Toru UEHARA ¹ , Yoshiaki KAWASHIMA ² , Masahiro GOTO ³ , Kazuo TAKEUCHI ⁴ , Masahiko MIKUNI ¹ , Walter Vandereycken ⁵ ¹群馬大学医学部神経精神医学教室 ²新潟大学医学部精神医学教室 ³新潟県精神保健福祉センター ⁴群馬県立医療短期大学 ⁵Leuven大学精神科 ¹Department of Neuropsychiatry, University of Gunma Faculty of Medicine ²Department of Psychiatry, Niigata University School of Medicine ³Niigata Prefectural Mental Health Center ⁴Gunma Prefectural Medical College ⁵Psychiatrische Klinik, University of Leuven キーワード： Anorexia nervosa , Bulimia nervosa , Family , Self-rating Keyword: Anorexia nervosa , Bulimia nervosa , Family , Self-rating pp.509-515

発行日 2001年5月15日 Published Date 2001/5/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902425

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【抄録】　家族が実際に観察した情報を基に摂食障害症状評価を行うABOSの日本語版を作成し，摂食障害患者の家族延べ93名と一般女子大生の母親20名を対象にその信頼性・妥当性を検討した。ABOSの内的整合性，再テスト法による信頼性は十分優れていた。尺度構成信頼性もおおむね良好だった。併存妥当性の検討では，客観尺度，自己評価尺度とABOSとの有意相関が認められた。対照群と症例群との間でABOS総得点，下位尺度ともに有意な判別妥当性を示した。ABOSは患者が来院できない場合や家族介入の時など，多面的な情報を得るために有用な尺度であることが示唆された。しかし患者と接する時間や状況の違う家族成員間では結果が異なる可能性もあり，重要なキーパーソンに記入してもらうほうがよいと思われた。今後より大きい対象で，因子構造と判別妥当性を確認する必要がある。