Japanese
English
研究と報告
解離性障害にみられた実体的意識性
Leibhaftige Bewußtheit in dissociative disorders
柴山 雅俊
1
Masatoshi SHIBAYAMA
1
1虎の門病院精神科
1Department of Psychiatry, Toranomon Hospital
キーワード:
Leibhaftige Bewußtheit
,
Dissociative disorder
,
Psychotic symptom
,
Early schizophrenia
Keyword:
Leibhaftige Bewußtheit
,
Dissociative disorder
,
Psychotic symptom
,
Early schizophrenia
pp.25-31
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902352
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
【抄録】 実体的意識性を呈した解離性障害の3症例を提示し精神病理学的に検討した。そして実体的意識性,被注察感,対人過敏症状,聴覚過敏,見えない二重身,複雑幻視,要素幻視などの精神病様症状は解離性障害にしばしばみられることを指摘した。また実体的意識性を近位実体的意識性と遠位実体的意識性に分けると,近位実体的意識性では感覚的要素はさまざまであり,自己と他者の二重性が認められること,また遠位実体的意識性では感覚性に乏しく純粋な実体的意識性が現れやすく,また他者性が前景にあると考えられた。さらに回復過程では人とのつながりの中で生・現実・現在にとどまりつつ,死・夢・過去を新たに区切ることが重要であった。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.