Japanese
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研究と報告
乳がん患者に対する構造化精神科介入とその影響要因に関する研究
Analysis of Factors Related to Structured Psychiatric Intervention for Breast Cancer Patients
平井 啓
1
,
保坂 隆
2
,
杉山 洋子
2
,
柏木 哲夫
1
Kei HIRAI
1
,
Takashi HOSAKA
2
,
Yoko SUGIYAMA
2
,
Tetsuo KASHIWAGI
1
1大阪大学大学院人間科学研究科
2東海大学医学部精神科
1Department of Clinical Thanatology, Graduate School of Human Sciences, Osaka University
2Department of Clinical Psychiatry and Behavioral Science, School of Medicine, Tokai University
キーワード:
Breast cancer
,
A structured psychiatric intervention
,
Emotional state
,
Coping
Keyword:
Breast cancer
,
A structured psychiatric intervention
,
Emotional state
,
Coping
pp.33-38
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902353
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【抄録】 本研究の目的は,「構造化された精神科的介入」を受けた79名の乳がん患者の情緒状態の変化に対する影響要因を調べることである。
2つの心理学的尺度による介入前後の比較と,介入後6か月後の質問紙調査による患者の主観的評価を分析した結果,介入前にさまざまなコーピング行動をとる傾向が高い患者は,介入前の情緒障害の程度が高い傾向があり,この情緒障害の程度の高い患者は,介入により情緒障害が改善されやすいことが明らかになった。また,医療を肯定的にとらえている患者は,そうでない患者に比べて,情緒障害の改善の程度が高いことが明らかになった。これらの結果から,乳がん患者に対する「構造化された精神科的介入」には,背景情報などを事前にスクリーニングすることが重要であることが示唆された。
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