Japanese
English
研究と報告
1矯正施設内における覚せい剤精神病
Methamphetamine Psychosis in a Japanese Prison
秋山 一文
1
Kazufumi AKIYAMA
1
1岡山大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Okayama University Medical School
キーワード:
Methamphetamine psychosis
,
Prolonged abuse
,
Relapse
,
Volatile solvent
,
Prison
Keyword:
Methamphetamine psychosis
,
Prolonged abuse
,
Relapse
,
Volatile solvent
,
Prison
pp.1143-1151
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902315
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【抄録】 1刑務所で直接診察・治療した覚せい剤精神障害の20例について,症状と経過を中心に後方視的に調査した。刑務所内精神科初診時の年齢が半数で41歳以上であり,覚せい剤使用開始から同初診時までの年数も半数以上で10年を上回っていた。精神病状態を示した者は17例であり,残りの3例は不眠,身体的不定愁訴を示した。精神病状態を示し12年以上の覚せい剤乱用歴のある8例は覚せい剤の最終注射から3か月間以上も症状が遷延してから刑務所内精神科を初診していた。そのうち4例では抗精神病薬治療に抵抗してさらに5か月以上も症状が持続し(遷延・治療抵抗群と名付けた),別の3例では同治療または自然経過によって症状が軽快した後に自然再燃を認めた。上記の遷延・治療抵抗群のうち3例でアカシジア,遅発性錐体外路症状を認めた。覚せい剤の最終注射からまもなく受診した9例でも,ほとんどが10年以上の乱用者で,症状軽快に2〜3か月を要する例もあった。5例に有機溶剤の乱用歴があり,そのうち2例では有機溶剤のみの乱用時から幻聴が出現しており,その後の覚せい剤の乱用開始以後も精神病状態は持続した。
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