Japanese
English
研究と報告
非ステロイド系消炎鎮痛剤との併用によりリチウム中毒を呈した2例
Two Cases of Lithium Intoxication caused by Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs
中川 東夫
1
,
高木 哲郎
1
,
秋山 典子
2
,
榎戸 芙佐子
1
,
地引 逸亀
1
Haruo NAKAGAWA
1
,
Tetsuro TAKAGI
1
,
Noriko AKIYAMA
2
,
Fusako ENOKIDO
1
,
Itsuki JIBIKI
1
1金沢医科大学神経精神医学教室
2粟津神経サナトリウム
1Department of Neuropsychiatry, Kanazawa Medical University
2Awazu Shinkei Sanatorium
キーワード:
Lithium intoxication
,
Non-steroidal anti-inflammatory drugs
,
Alminoprofen
,
Loxoprofen sodium
Keyword:
Lithium intoxication
,
Non-steroidal anti-inflammatory drugs
,
Alminoprofen
,
Loxoprofen sodium
pp.729-736
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902252
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【抄録】 非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)であるアルミノプロフェンまたはロキソプロフェンナトリウムを服用中の患者に炭酸リチウムを投与した結果,構音障害,嚥下障害,手指振戦,筋強剛,歩行障害などの身体症状や,失見当識,記銘力低下,情動不安定,錯乱状態などの精神症状を呈したリチウム中毒症の2症例について報告した。このリチウム中毒は,NSAIDsが腎プロスタグランジン系に作用し,血清リチウム濃度が上昇したために発症したものと考えられた。したがって,両薬剤の併用を必要とする症例には,血清リチウム濃度測定を含む諸検査を頻回にし,さらに臨床症状の観察を詳細にして,リチウム中毒の発生を予防することが重要である。
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