Japanese
English
特集 不登校の理解と支援
【不登校に潜む精神疾患・症状】
不登校と睡眠の問題
Sleep Problems in School Absenteeism
井上 彩織
1
,
堀内 史枝
2
Saori Inoue
1
,
Fumie Horiuchi
2
1愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学講座
2愛媛大学大学院医学系研究科児童精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Ehime University Graduate School of Medicine,Ehime,Japan
2Department of Child Psychiatry, Ehime University Graduate School of Medicine
キーワード:
不登校
,
school absenteeism
,
朝起きられない
,
difficulty in morning awakening
,
睡眠・覚醒障害
,
sleep-wake disorders
,
睡眠衛生教育
,
sleep hygiene education
Keyword:
不登校
,
school absenteeism
,
朝起きられない
,
difficulty in morning awakening
,
睡眠・覚醒障害
,
sleep-wake disorders
,
睡眠衛生教育
,
sleep hygiene education
pp.1317-1323
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207401
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
不登校の理由として「朝起きられない」を挙げる子どもも多い。思春期になると,不登校の有無にかかわらず,生理的に睡眠相が後退しやすい。不登校の背景に鑑別が必要な睡眠障害が隠れている場合もあり,注意が必要である。不登校に多い起立性調節障害と睡眠・覚醒相後退障害はそれぞれ合併も多く,いずれも低活動や生活リズムの乱れでさらに状態が悪化しやすく,不登校を長引かせるという悪循環がみられる。しかし,登校や対人交流への葛藤から「朝起きられない」状態に陥っている場合も多く,睡眠の治療的介入のみで改善することはなかなか難しい。また,睡眠とゲーム,SNSの問題も切り離せない課題である。睡眠日誌や睡眠衛生教育など認知行動療法的な介入を用いながら,本人と治療関係を築いていけるようなアプローチが望まれる。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.