特集 不登校の理解と支援
特集にあたって
金生 由紀子
1
1東京大学大学院医学系研究科こころの発達医学分野
pp.1237-1238
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207389
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不登校は,文部科学省によると,年度間に30日以上登校しなかった児童生徒のうち,「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし,「病気」や「経済的理由」,「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。)」とされている。小中学生の不登校の人数の推移を見ると,2012年度から増加し続けており,2022年度は29万人以上となっている。新型コロナ感染症の流行後にその傾向が特に顕著である。
不登校の動向には,家庭や学校,社会のあり方の変化も関連していると思われる。たとえば,インターネットやデジタル機器の普及による生活の諸側面の変化に新型コロナ感染症の流行が重なって,より影響が増幅したということもあるかもしれない。このような変化は,余裕の乏しい家庭や学校には負担となるかもしれない一方で,新たな活動や居場所の可能性を広げるかもしれない。
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