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特集 —身体疾患の患者・家族のこころを支える—コンサルテーション・リエゾン精神医学
神経変性疾患にみられる精神症状の評価とマネジメント
Psychiatric Assessment and Management for Neurodegerative Disease Patients
和田 健
1
Ken Wada
1
1広島市立広島市民病院精神科
1Department of Psychiatry, Hiroshima Citizens Hospital, Hiroshima City Hospital Organization, Hiroshima, Japan
キーワード:
神経変性疾患
,
neurodegerataive disease
,
精神症状
,
psychiatric symptom
,
症状評価
,
symptomatologic assessment
,
治療マネジメント
,
therapeutic management
,
緩和ケア
,
palliative care
Keyword:
神経変性疾患
,
neurodegerataive disease
,
精神症状
,
psychiatric symptom
,
症状評価
,
symptomatologic assessment
,
治療マネジメント
,
therapeutic management
,
緩和ケア
,
palliative care
pp.1150-1157
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207373
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抄録
神経変性疾患は,現時点では有効な根治療法がなく,緩徐進行性の経過をたどり,診断時から予後が規定され,時に生死に関わる医療処置の選択を迫られる。器質性精神障害としてのさまざまな精神症状のみならず,スピリチュアルペインも生じやすい。精神症状は併存している身体症状の影響や心理的要因,入院を含めた環境的要因などによっても影響を受けるため,多面的な評価を行う必要がある。神経変性疾患を持つ人が入院となった場合は,せん妄ハイリスク患者として捉え,早期から予防的な対応をとることが望ましい。精神症状のマネジメントには,薬物療法と非薬物療法的介入の両方が用いられるが,いずれも十分なエビデンスが存在するとは言えない現状である。また,意思決定支援や家族への支援などによって患者のQOL向上に資するためには,緩和ケアのマインドを持って治療ケアにあたる姿勢が重要となる。
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