Japanese
English
特集 うつ病のバイオマーカー開発の試み
うつ病の眼球運動研究
Studies on Eye Movements in Patients with Depression
鬼塚 俊明
1
Toshiaki Onitsuka
1
1独立行政法人国立病院機構榊原病院精神科
1NHO Sakakibara National Hospital, Mie, Japan
キーワード:
うつ病
,
depression
,
眼球運動
,
eye movement
,
自由視課題
,
free-viewing test
,
固視安定性課題
,
fixation stability test
,
滑動性追従課題
,
smooth pursuit test
Keyword:
うつ病
,
depression
,
眼球運動
,
eye movement
,
自由視課題
,
free-viewing test
,
固視安定性課題
,
fixation stability test
,
滑動性追従課題
,
smooth pursuit test
pp.180-185
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207193
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抄録
眼球運動研究が,精神疾患の病態解明や補助診断方法の確立につながる可能性がある。本稿では,うつ病の眼球運動研究所見を概観し,われわれの行った研究内容の方法,結果などを詳細に紹介する。本研究では,うつ病者は健常者と比較して,自由視課題ではスキャンパス長が有意に短く,滑動性追従課題ではサッカード時間が長く,サッカード速度のピーク値が高いという所見が得られた。今後,サンプルサイズを大きくし,眼球運動の所見を積み重ねることで,うつ病の病態生理を明らかにする手掛かりになると思われる。また,さまざまな精神疾患における眼球運動研究を進めることが,精神疾患の再分類につながるかもしれない。
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