Japanese
English
特集 うつ病のバイオマーカー開発の試み
心拍変動・行動指標を用いたデジタルフェノタイピングに向けて
Towards Digital Phenotyping Using Metrics of Heart Rate Variability and Behavior
石川 祐希
1
,
堀込 俊郎
1
,
岸本 泰士郎
2
Yuki Ishikawa
1
,
Toshiro Horigome
1
,
Taishiro Kishimoto
2
1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
2慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
1Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Hills Joint Research Laboratory for Future Preventive Medicine and Wellness, Keio University School of Medicine
キーワード:
デジタルフェノタイピング
,
digital phenotyping
,
心拍変動
,
heart rate variability
,
体動
,
body motion
,
会話
,
speech
Keyword:
デジタルフェノタイピング
,
digital phenotyping
,
心拍変動
,
heart rate variability
,
体動
,
body motion
,
会話
,
speech
pp.187-191
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207194
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抄録
デジタルフェノタイピングは,うつ病の診断や重症度評価の新たな指標として注目されている。これにはデジタルデバイスから収集された生理指標および行動指標に関するデータが活用され,近年では機械学習アルゴリズムを用いてデジタルフェノタイプからうつ病の評価を行う研究が盛んである。心拍変動は自律神経活動を評価するための指標として以前から注目されており,うつ病患者での変化も観察されている。また,体動や会話の分析からもうつ病のスクリーニングや評価を行うことが試みられている。複数のセンシングを搭載した機器が登場し,これらのデータを統合したマルチモーダルなアプローチも可能となっている。こうした取り組みはうつ病の診断と重症度評価に新たな可能性を開くものであり,大規模なデータセットにより疾患モデルを構築することで,この分野の研究が進展していくことが期待される。
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