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特集 精神医療・精神医学の組織文化のパラダイムシフト
医療人類学から見た精神医療の組織文化とデザイン
Organizational Culture and Design of Psychiatry from the Perspective of Medical Anthropology
狩野 祐人
1
Yuto Kano
1
1慶應義塾大学大学院社会学研究科
1Keio University Graduate School of Human Relations, Tokyo, Japan
キーワード:
医療人類学
,
medical anthropology
,
組織文化
,
organizational culture
,
デザイン
,
design
Keyword:
医療人類学
,
medical anthropology
,
組織文化
,
organizational culture
,
デザイン
,
design
pp.162-168
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206843
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抄録
本稿では既存の医療人類学的研究を参照し,精神医療の組織文化を,デザインの観点から検討する。20世紀半ば以降医療者は,精神医療とそれが実践される環境を,患者の社会的な生の回復を目的としデザインし直してきた。ただし既存のエスノグラフィが示すのは,リカバリーという拡張された意味においてであれ,医療者の視点から治療に中心的な価値を置きデザインされた環境は,当事者を作り変えるものとして働き,当事者のニーズとすれ違うリスクを温存するということだ。これに対し現在着目されつつあるのは,当事者をも精神医療の「デザイナー」と捉え協働する可能性である。
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