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特集 精神医学における臨床研究のすゝめ—わが国で行われたさまざまな精神医学臨床研究を参考にして
医師主導ランダム化比較試験のポイント—自閉スペクトラム症中核症状に対する初の治療薬開発の試み
Critical Issues in Clinician Initiated Clinical Trials:Development of a Novel Therapeutic for Core Symptoms of Autism Spectrum Disorder
山末 英典
1
Hidenori Yamasue
1
1浜松医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Hamamatsu University School of Medicine, Shizuoka, Japan
キーワード:
医師主導治験
,
clinician initiated clinical trial
,
オキシトシン
,
oxytocin
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
神経画像
,
neuroimaging
,
自主臨床試験
,
surrogate endpoint
Keyword:
医師主導治験
,
clinician initiated clinical trial
,
オキシトシン
,
oxytocin
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
神経画像
,
neuroimaging
,
自主臨床試験
,
surrogate endpoint
pp.71-78
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206827
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抄録
医師主導ランダム化比較試験は,最高レベルのエビデンスを提供する最も厳密にデザインされ実施される臨床研究と位置づけられる。筆者らは,オキシトシン経鼻薬を自閉スペクトラム症中核症状初の治療薬候補として,臨床症状に加えて,視線・表情・発話などの定量解析や脳機能画像指標を評価項目に,複数の自主臨床試験と医師主導治験を無作為割付二重盲検プラセボ対照デザインで行ってきた。そして,オキシトシン経鼻薬の有効性に加えて,症状評価方法の改良,治療効果発現の脳内メカニズム解明,個別化医療実現のための効果予測法の開発,治療効果の時系列変化,用量反応関係などについて多くの発見をし,『JAMA Psychiatry』,『Molecular Psychiatry』,『Brain』などの学術誌に繰り返し掲載される成果を得てきた。本稿では,これらの成果やその背景の取り組みについて簡単に紹介した。
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