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特集 死別にまつわる心理的苦痛—背景理論からケアおよびマネジメントまで
死別にまつわる心理的苦痛—通常の悲嘆の概念とそのプロセス
Psychological Distress of Bereavement:Concept and Process of Normal Grief
瀬藤 乃理子
1
Noriko Setou
1
1福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座
1Department of Disaster Psychiatry, Fukushima Medical University, Fukushima, Japan
キーワード:
通常の悲嘆
,
normal grief
,
心理的苦痛
,
psychological distress
,
アセスメント
,
assessment
Keyword:
通常の悲嘆
,
normal grief
,
心理的苦痛
,
psychological distress
,
アセスメント
,
assessment
pp.1573-1579
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206795
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抄録 遺族の多くは,愛する人との死別後,時間の経過とともに悲嘆が和らぐ「通常の悲嘆(normal grief)」の経過をたどる。しかし,そのような通常の悲嘆であっても,死別後早期の心理的苦痛は非常に強い場合があり,「通常ではない悲嘆」との区別が難しいことも少なくない。多くの影響因子が,死別後の悲嘆反応,プロセス,予後に影響を与えるため,両者を混同せず,より適切なケアや治療を行うためには,それぞれの概念をよく理解し,アセスメントの方法や留意点を知っておく必要がある。本稿では,遺族の悲嘆のモニタリングの方法,心的外傷性の苦痛が強い場合の留意事項とともに,死別後の対処行動や家族全体をみていく重要性についても言及した。
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