Japanese
English
特集 ひきこもりの理解と支援
ひきこもりと不登校に関連する睡眠問題
Sleep Disorders Related to Hikikomori and Non-attendance from School
甫母 瑞枝
1
Mizue Hobo
1
1さいたま市こころの健康センター
1Saitama-City Mental Health and Welfare Center, Saitama, Japan
キーワード:
睡眠覚醒リズム障害
,
sleep-wake rhythm disorders
,
睡眠相後退症候群
,
delayed sleep-wake phase disorders
,
社会的時差ぼけ
,
social jetlag
Keyword:
睡眠覚醒リズム障害
,
sleep-wake rhythm disorders
,
睡眠相後退症候群
,
delayed sleep-wake phase disorders
,
社会的時差ぼけ
,
social jetlag
pp.1479-1485
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206777
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抄録 睡眠の問題は日中の社会機能低下を引き起こすため,ひきこもりの一因となる。ひきこもりに多くみられる昼夜逆転は,太陽光の曝露が減ることでひきこもりの人の抑うつの進行につながる。ひきこもりでは背景に精神疾患がある場合が多いが,原疾患の治療に加え睡眠を重視したアプローチが望まれる。ひきこもりに合併する精神疾患は多彩であるが,不眠を合併する疾患もある。不眠が改善することは日中の機能改善につながるため,原疾患の治療に加え睡眠を重視した治療が望まれる。睡眠覚醒リズム障害である睡眠相後退症候群と非24時間型睡眠覚醒リズム障害は,通常の日中の社会生活が送れないため,ひきこもりになりやすい。現在の不登校生徒の大幅な増加は,将来のひきこもりの増加につながる。心理社会面以外に子どもの睡眠問題が,大きな背景要因の1つと考えられる。電子機器の長時間の使用と夜型社会により,子どもの就寝時刻の遅れと休日の起床時刻の遅れが年々悪化している。Social jetlagと睡眠相後退症候群という睡眠覚醒リズム障害が不登校の誘因となる。家庭や社会で睡眠を重視する取り組みが必要である。
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