Japanese
English
特集 精神・神経疾患に併存する過眠の背景病態と治療マネジメント
脳炎・腫瘍・外傷における過眠
Hypersomnia in Encephalitis, Tumors and Trauma
小野 太輔
1,2
,
神林 崇
3,4
Taisuke Ono
1,2
,
Takashi Kanbayashi
3,4
1金沢医科大学高齢医学科
2スタンフォード大学睡眠・生体リズム研究所
3筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構
4茨城県立こころの医療センター
1Department of Geriatric Medicine, Kanazawa Medical University School of Medicine, Ishikawa, Japan
2Sleep and Circadian Neurobiology Laboratory, Stanford University School of Medicine
3University of Tsukuba International Institute for Integrative Sleep Medicine
4Ibaraki Prefectural Medical Center of Psychiatry
キーワード:
日中の過剰な眠気
,
excessive daytime sleepiness
,
EDS
,
身体疾患によるナルコレプシー
,
narcolepsy due to a medical condition
,
身体疾患による過眠症
,
hypersomnia due to a medical disorder
,
オレキシン
,
orexin
Keyword:
日中の過剰な眠気
,
excessive daytime sleepiness
,
EDS
,
身体疾患によるナルコレプシー
,
narcolepsy due to a medical condition
,
身体疾患による過眠症
,
hypersomnia due to a medical disorder
,
オレキシン
,
orexin
pp.1409-1416
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206763
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抄録 中枢性過眠症とは日中の過剰な眠気を主症状とし,その原因が夜間睡眠の障害や概日リズムの乱れによるものではない睡眠障害の一群である。中枢性過眠症で,身体疾患・神経疾患によって過眠症状を呈する疾患のうちナルコレプシーの診断基準を満たすものを「身体疾患によるナルコレプシー」,満たさないものを「身体疾患による過眠症」と呼ぶ。中枢性過眠症は,その大部分において発症機序が判明しておらず,そのため根治療法も存在せず対症療法のみが行われている。しかし,身体疾患によるナルコレプシー/過眠症は原疾患により視床下部のオレキシンニューロンが障害されることにより過眠症状が出現すると考えられている。そのため早期発見・早期治療により症状を軽減させることが可能であり,原因疾患によっては根治可能である。症候性のナルコレプシーおよび過眠症の研究を通じ,中枢性過眠症の病態生理が解明されることを期待したい。
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