Japanese
English
特集 精神・神経疾患に併存する過眠の背景病態と治療マネジメント
パーキンソン関連疾患に併存する過眠
Hypersomnia Associated with Parkinsonian Related Disorders
藤田 裕明
1
,
鈴木 圭輔
1
Hiroaki Fujita
1
,
Keisuke Suzuki
1
1獨協医科大学脳神経内科
1Department of Neurology, Dokkyo Medical University, Tochigi, Japan
キーワード:
モノアミン神経
,
monoaminergic neuron
,
オレキシン神経
,
orexin neuron
,
日中の過度の眠気
,
excessive daytime slepiness
,
EDS
Keyword:
モノアミン神経
,
monoaminergic neuron
,
オレキシン神経
,
orexin neuron
,
日中の過度の眠気
,
excessive daytime slepiness
,
EDS
pp.1399-1407
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206762
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抄録 パーキンソン病(PD)では約3割で日中の過度の眠気(EDS)がみられ,疾患の進行とともに増加する。EDSは疾患の進行に伴う脳幹-視床下部のオレキシン,コリン,モノアミン系神経の変性のほか,PDの運動症状や非運動症状,併存する睡眠障害による睡眠分断,使用する抗PD薬の影響などさまざまな要因によって生じる。PDにおいてEDSは認知機能低下や精神症状など不良なアウトカムと関連する。PD治療薬では複数のドパミンアゴニストの使用やレボドパ換算量の増加はEDSのリスクとなる。夜間のPD症状や併存する睡眠障害による睡眠分断がある場合にはそれらに対する治療介入を優先する。多系統萎縮症では睡眠関連呼吸障害によるEDSに注意する。進行性核上性麻痺では睡眠効率の低下が顕著であるが,しばしば主観的な睡眠評価と実際の睡眠状態との乖離がみられる。PD患者においてEDSは生活の質に関連するとともに,睡眠発作は身体の安全を脅かすため注意が必要である。
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