Japanese
English
特集 産業精神保健の現状と課題
産業精神保健が取り組むべき基礎的課題について
Basic Aspects of the Mental Health Problems in the Work Place
浜口 伝博
1,2
Tsutahiro Hamaguchi
1,2
1産業医科大学産業生態科学研究所作業関連疾患予防学
2ファームアンドブレイン有限会社
1Department of Work Systems and Health in University of Environmental and Occupational Health, Kitakyusyu, Japan
2Firm and Brain, Ltd.
キーワード:
産業保健
,
occupational health
,
過労自殺
,
suicide by the over-time work
,
ストレス
,
stress
,
労働安全衛生法
,
the safety and health law
,
産業医裁判
,
court case with the occupational health physician
Keyword:
産業保健
,
occupational health
,
過労自殺
,
suicide by the over-time work
,
ストレス
,
stress
,
労働安全衛生法
,
the safety and health law
,
産業医裁判
,
court case with the occupational health physician
pp.1311-1319
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206442
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抄録 産業の変化は職場のサービス化とIT化を推し進め,労働者にさらなる処理スピードと情報処理負荷を求めている。これらは労働者のストレスを高め健康障害となって現れており,精神障害の労災申請件数も1次関数的に増加している。過重労働対策として労働時間の上限規制が施行されてはいるが,その効果の兆しはまだみられない。産業精神保健活動は,上流でのストレス対策と下流での事例対策との同時進行で取り組む必要があり,上流はストレスチェック制度を応用しながら組織的な取り組みとし,下流の事例対策としては,社員と専門職の面談しやすい社風づくりを進めるべきであろう。労働安全衛生法改正を機に産業医の権限強化と産業保健機能強化が進められているが,社会が期待する産業保健成果をどこまで出せるかは現場の専門家に委ねられている。産業精神保健活動も,同じく労働者の安全と健康を確保する事業者活動として総合的に進める必要がある。
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