Japanese
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特集 「大人の発達障害」をめぐる最近の動向
大人の発達障害—診断概念の整理と研究テーマの動向
Adults with Developmental Disorders-Concepts and current research trends
内山 登紀夫
1
Tokio Uchiyama
1
1大正大学心理社会学部臨床心理学科
1Department of Clinical Psychology, Faculty of Psychology and Sociology, Taisho University, Tokyo, Japan
キーワード:
成人期発達障害
,
neurodevelopmental disorders in adults
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
注意欠如・多動症
,
attention-deficit hyperactive disorder
,
発達障害
,
developmental disorder
Keyword:
成人期発達障害
,
neurodevelopmental disorders in adults
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
注意欠如・多動症
,
attention-deficit hyperactive disorder
,
発達障害
,
developmental disorder
pp.949-957
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206138
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抄録 DSM-5とICD-11が,共通する特性を持った生来性の脳機能障害とし「神経発達障害」と新たに定義した。わが国では発達障害者支援法の改正に伴い,社会的障壁の除去や成人期の発達障害の支援が注目されていることを論じた。神経発達障害は生涯にわたる障害であるため,症状の発現は児童期であっても,成人期,老年期まで長期にわたる支援が必要なことがある。最近の大人の発達障害に関する重要テーマは成人期の診断・評価,合併や鑑別を要する精神疾患,壮年期から老年期にかけての身体健康管理や身体合併症の治療,女性の発達障害,成人発症するADHDの可能性などが注目されている。
本稿では,多様な発達障害概念を整理し,近年の大人の発達障害に関する知見が国際的診断基準にどのように反映されているについて概説した。
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