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短報
アトピー性皮膚炎と自閉スペクトラム症の合併例に見られた“皮膚むしり症状”に対してエスシタロプラムが著効した経験の報告
The Report of Experience that Escitalopram is Very Effective to Skin Picking with Comrobid Autism Spectrum Disorder and Atopic Dermatisis
林 真紀
1
,
土岐 茂
2
,
小山田 孝裕
1
Makoto Hayashi
1
,
Shigeru Toki
2
,
Takahiro Oyamada
1
1特定医療法人大慈会三原病院
2医療法人あさだ会第2心療クリニックコモリエ
1Department of Psychiatry, Mihara Hospital, Mihara, Japan
2Second Psychiatric Clinic Komorie
キーワード:
皮膚むしり症
,
excoriation/skin-picking disorder
,
エスシタロプラム
,
escitalopram
,
DSM-5
Keyword:
皮膚むしり症
,
excoriation/skin-picking disorder
,
エスシタロプラム
,
escitalopram
,
DSM-5
pp.923-928
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206129
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抄録 今回我々は19歳,男性,アトピー性皮膚炎と自閉スペクトラム症の合併例にみられた皮膚むしり症状に対してエスシタロプラムが著効した経験の報告をする。DSM-5において,新たに「皮膚むしり症」という疾患概念が導入され,「強迫症および関連症群」の中に位置付けられた。こうして,抜毛や皮膚むしり,爪噛み行動など身体の一部を対象に侵襲的あるいは整容的な障害を引き起こすほどに繰り返される反復行動が「身体集中反復行動」と総称された。同疾患に関しては,病態生理や治療の科学的知見が乏しい。海外では薬物治療としてさまざまな報告があり,その1つにSSRIの有効性が報告されている。本症例を通して,皮膚むしり症に対してエスシタロプラムが治療選択肢の1つになり得ると考えた。
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