増大号特集 精神科診療のエビデンス—国内外の重要ガイドライン解説
第3章 うつ病
CANMAT 2016 Guidelines for Major Depressive Disorder
伊賀 淳一
1
Junichi iga
1
1愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学講座
1Department of Neuropsychiatry, Ehime University Graduate School of Medicine, Ehime, Japan
pp.555-558
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206071
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ガイドラインのポイント
・「疾病負荷とケアの原則」1),「精神療法」2),「薬物療法」3),「神経刺激療法」4),「補完代替医療」5),「特別な患者(児童思春期,女性,高齢者)の治療」6)の6つのパートからなる。
・多くのガイドラインが基準としているAppraisal of Guidelines for Research & Evaluation Ⅱ(AGREEⅡ)やGrading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluations(GRADE)systemに従うのみならず,エキスパートオピニオンを組み入れた独自の評価で推奨を決定している7)。
・エビデンスレベルは1から4に分類される。治療選択の順位はエキスパートオピニオンも臨床的有用性を認めるという前提において,第一選択治療はエビデンスレベルが1または2以上,第二選択治療はレベル3以上,第三選択治療はレベル4以上のエビデンスが存在するというルールがある。
・想定している利用者は一般の精神科医や精神医療の専門家である。
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