Japanese
English
特集 トラウマインフォームドケアと小児期逆境体験
小児期逆境体験と発達性トラウマ障害
Adverse Childhood Experiences and Traumatic Developmental Disorder
笠原 麻里
1
Mari Kasahara
1
1駒木野病院
1Komagino Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Developmental trauma disorder
,
Complex PTSD
,
Child abuse
Keyword:
Developmental trauma disorder
,
Complex PTSD
,
Child abuse
pp.1173-1178
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205917
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録 長期反復性外傷後の症状について,これまでにHermanにより複雑性外傷後ストレス障害(複雑性PTSD)が提唱されて以来,子ども虐待やDVなどのように,長期間繰り返される重大なトラウマ体験のサバイバーには,PTSD症状のみならず,激しい情動不安定や,対人関係における重大な問題,価値観の歪みという問題が生じ得ることが認められてきた。van der Kolkらは,これらの慢性的な対人トラウマにさらされた子どもの臨床的表現を記述し,それによって臨床家が効果的介入を開発し役立たせるように導くこと,および研究に役立てることを目的として,発達性トラウマ障害(developmental trauma disorder:DTD)を提起した。DTDに示されている症状群は,逆境体験にさらされている子どもたちの表す症状をよく表しており,診立てや治療の手がかりとして,考慮されるべき基準であると思われる。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.