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特集 トラウマインフォームドケアと小児期逆境体験
物質関連障害および嗜癖性障害と小児期逆境体験
Adverse Childhood Experiences in Substance-related and Addictive Disorders
小林 桜児
1
Ohji Kobayashi
1
1神奈川県立精神医療センター依存症診療科
1Department of Addiction Psychiatry, Kanagawa Psychiatric Center, Yokohama, Japan
キーワード:
Substance abuse
,
Gambling disorder
,
Adverse childhood experiences
Keyword:
Substance abuse
,
Gambling disorder
,
Adverse childhood experiences
pp.1151-1157
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205914
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抄録 依存症の病態については,基礎研究のみならず精神科臨床の現場においても,これまで乱用物質の作用による中枢神経系の異常や遺伝負因を背景とした発達の偏りで解釈されることが多く,患者を取り巻く心理社会的背景に注目した治療的アプローチに対する関心は必ずしも高いとは言いがたい。海外では,依存症のリスク要因として多様な小児期逆境体験が高頻度に認められることや,慢性的なトラウマ体験がその後の対人関係や感情調節の障害を介して依存症的行動をもたらす過程に関してエビデンスが集積されつつある。本稿では先行研究を紹介しつつ,動機付けが乏しいことの多い依存症患者と接する臨床医が治療を提供する際,トラウマインフォームドケアという視点を持つことの重要性について解説する。
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