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特集 サイコオンコロジー
サイコオンコロジーの重要性—現状と今後の展望
Relevance of Psycho-oncology:Current status and future direction
明智 龍男
1
Tatsuo Akechi
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学
1Department of Psychiatry and Cognitive-Behavioral Medicine, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Japan
キーワード:
Psycho-oncology
,
Psychological distress
,
QOL
,
Cancer control act
Keyword:
Psycho-oncology
,
Psychological distress
,
QOL
,
Cancer control act
pp.447-454
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205587
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はじめに—わが国の疾病構造におけるがんの位置付け
がんは1981年にわが国の死亡原因の第1位となり,以降もその座は変わらず,現在では,がんによる死亡者数は年間37万人を超え,総死亡の約30%を占めるに至っている。また超高齢社会を迎えた今,年間100万人以上が新たにがんと診断されている。現在は,わが国の国民のうち2人に1人が生涯においてがんを経験する時代である。がん治療は飛躍的に進歩し,がん患者の5年生存率が約50%にまで向上したが,最も頻度の高い致死的な疾患であることに変わりはない。したがって,がんは国民病という位置付けがなされており,国も疾病対策として最も力を入れていることから,2007年にはがん対策基本法が制定された。
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