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特集 MRIのT2・FLAIR画像での白質高信号の意味を読み解く
大脳白質梗塞治療法の試み—血管内皮細胞を利用して
Development of Novel Therapeutic Strategy Against White Matter Infarct Using Vascular Endothelial Cells
石崎 泰樹
1
Yasuki ISHIZAKI
1
1群馬大学大学院医学系研究科分子細胞生物学
1Department of Molecular and Cellular Neurobiology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
White matter infarct
,
Vascular endothelial cells
,
Oligodendrocyte precursor cells
,
Myelin
,
Exosome
Keyword:
White matter infarct
,
Vascular endothelial cells
,
Oligodendrocyte precursor cells
,
Myelin
,
Exosome
pp.651-659
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205422
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はじめに
日本脳ドック学会による規定5)では,大脳白質病変は脳室周囲病変と深部皮質下白質病変に分けられる。大脳白質病変は,T2強調画像やプロトン密度強調画像で淡い高信号病変を呈する一方,FLAIR画像では明瞭な高信号を呈し,脱髄変化を反映していると考えられている。前頭葉深部皮質下白質の高信号は中高年初発うつ病の12),大脳深部白質や脳室周囲の白質の高信号は認知障害の1),それぞれ発症リスクであると考えられている。大脳白質病変は他に歩行障害などとも関連性が示されている6)。また大脳白質病変は経過とともに進行する例が多く,改善することはないとされている10)。この脱髄変化に対して有効な治療法が開発されれば,中高年初発うつ病,認知障害,歩行障害の予防法や治療法の開発に繋がる可能性が考えられる。
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