Japanese
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特集 インターネット依存の現在
ネット依存の依存メカニズムおよび健康障害—脳画像研究から
The Internet Addiction: Its mechanism and negative consequences in health. A review of neuroimaging studies
藤原 広臨
1,2
,
鶴身 孝介
1
,
高橋 英彦
1
Hironobu FUJIWARA
1,2
,
Kosuke TSURUMI
1
,
Hidehiko TAKAHASHI
1
1京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座精神医学
2京都大学医学部附属病院総合臨床教育・研修センター
1Department of Neuropsychiatry, Kyoto University, Kyoto, Japan
2Integrated Clinical Education Center, Kyoto University Hospital
キーワード:
Internet
,
Addiction
,
Behavioral addiction
,
Neuroimaging
Keyword:
Internet
,
Addiction
,
Behavioral addiction
,
Neuroimaging
pp.23-30
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205298
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はじめに
近年,インターネットの過剰使用(以下,ネット嗜癖)は,韓国や本邦など東アジアを中心とした地域の,特に若年者において問題となっている。米国精神医学会による精神疾患の診断基準であるDSM-5でも,インターネットゲーム障害がconditions for future studyの欄に組み込まれるに至るなど,さらなる研究の知見などの蓄積によっては,近い将来に個別の疾患群として認識される可能性も考えられる現状である。ネット嗜癖の生物学的研究については,この現象が問題となっている東アジア地域からの報告を中心として,物質によらない依存症・嗜癖としての「行動嗜癖」に類するものであるという仮説に基づいたものが多い。本稿では,このネット嗜癖について,その神経基盤を,magnetic resonance imaging(MRI),positron emission tomography(PET),single photon emission computed tomography(SPECT)などの脳画像検査を用いて調べた知見を中心に紹介し,物質依存や他の行動嗜癖との共通点および差異という関連から若干の考察を加える。
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