Japanese
English
研究と報告
精神・神経症状を来したウット®依存の2症例
Two Cases of Wutt Addiction with Psychiatric and Neurologic Symptoms
井上 誠士郎
1,2
Seishiro INOUE
1,2
1平松記念病院
2現,北海道大学医学部精神科神経科
1Hiramatsu Memorial Hospital
2Department of Psychiatry and Neurology, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
Wutt®
,
Bromvaleryl urea
,
Addiction
,
OTC
,
Over The Counter
Keyword:
Wutt®
,
Bromvaleryl urea
,
Addiction
,
OTC
,
Over The Counter
pp.1239-1243
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902532
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【抄録】 市販の催眠鎮静薬ウット®の常用により,精神・神経症状を来した2症例を報告する。症例1は49歳の男性で,3〜6錠/日を19年間使用していた。全身けいれんが治療の契機となり,服薬中断後,多幸感,落ち着きのなさ,せん妄が出現した。症例2は35歳の女性で,12錠/日を9年間使用していた。経過中にけいれん発作のエピソードがあり,60〜72錠/日を連用後,急性中毒で入院となった。入院後,易刺激性,情動不安定,せん妄が出現した。いずれの症例も,服薬中断後5〜6日が経過してから,激しいせん妄状態を呈したことが特徴的であった。ウット®の常用により精神・神経症状を来しうるので,その使用には厳重な注意を要する。
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