Japanese
English
研究と報告
心的外傷と共依存—対人関係に反映される嗜癖的問題の世代間伝達
Trauma and Codependency: intergenerational transmission of addictional problems manifested in interpersonal relationship
佐野 信也
1
,
中山 道規
1
,
後藤 健文
1
,
駒井 秀次
1
,
一ノ渡 尚道
1
Shin-ya SANO
1
,
Michinori NAKAYAMA
1
,
Takefumi GOTOH
1
,
Hideji KOMAI
1
,
Naomichi ICHINOWATARI
1
1防衛医科大学校精神科学教室
1Department of Psychiatry, National Defense Medical College
キーワード:
Codependency
,
Addiction
,
Intergenerational transmission
,
Trauma
Keyword:
Codependency
,
Addiction
,
Intergenerational transmission
,
Trauma
pp.753-760
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904582
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【抄録】1精神科診療所を受診した891名の患者の自己陳述をもとに生育期の家族内外傷体験を調査した結果,男性83名(22.9%),女性129名(24.6%)が抽出され,その外傷が親のアルコール問題に関連するものは男性で42.2%,女性では27.9%あった。本人とその異性パートナーの嗜癖的問題を調べると,女性外傷例では男性外傷例より安定したパートナーとの関係を維持する者が多く,アルコール家族歴の有無および男女にかかわらず,本人に嗜癖的問題がある例ではパートナーも嗜癖的問題を保有する傾向が高かった。嗜癖的問題を有する患者の治療においては,患者が過去に曝された嗜癖的問題が,現在の対人関係の中で反復されている可能性を考慮した精神療法が重要である。
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