書評
—原田誠一 編集主幹,松﨑博光 編——〈外来精神科診療シリーズ〉—メンタルクリニック運営の実際—設立と経営,おもてなしの工夫
松下 正明
1
1東京大学
pp.432
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205166
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評者はかつて,クレペリンにせよヤスパースにせよ従来の精神医学は精神病院に入院している患者を基礎に築かれてきたが,これからは外来診療を主とした精神医学が構築されるべきで,その内容は随分と変わってくるだろう,極端な言い方をすれば,疾患概念自体,あるいは疾患名も一変するのではないかと,述べたことがある。将来は,精神科医療は外来診療中心の時代となるという脈絡の中での発言であった。
このたび,本書を含めて,「外来精神科診療シリーズ,全10冊」が刊行されることになり,いよいよ時期到来かと内心喜んだものであるが,予想通り,シリーズが刊行されてまだ半ばではあるが,すでにしてメンタルクリニックを中核とした精神科外来診療の時代の出現を予感させる出来栄えである。
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