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特集 精神医学と神経学の境界領域—最近のトピックスから
レビー小体型認知症と抗精神病薬への薬剤過敏性
Neuroleptic Sensitivity in Dementia with Lewy Bodies
山本 泰司
1
Yasuji YAMAMOTO
1
1神戸大学大学院医学研究科精神医学分野
1Department of Psychiatry, Kobe University Graduate School of Medicine, Kobe, Japan
キーワード:
Neuroleptic sensitivity
,
Dementia with Lewy bodies
,
DLB
,
Parkinsonism
,
Adverse drug reaction
,
D2 recepter
Keyword:
Neuroleptic sensitivity
,
Dementia with Lewy bodies
,
DLB
,
Parkinsonism
,
Adverse drug reaction
,
D2 recepter
pp.825-831
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205004
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はじめに
レビー小体型認知症(DLB)は4大認知症の1つであり,その頻度はアルツハイマー型認知症(AD)および血管性認知症(VD)に次いで3番目に多く,一般に認知症全体の10〜20%を占めるとの報告が多い。
しかし,その臨床診断は必ずしも容易ではないため,DLBと臨床診断される患者の頻度はおよそ4.3〜20%と調査によってかなりの相違があり,さらに剖検脳による神経病理学的診断では40%を超えるとの報告19)もあることから,ADおよびVDと比較して,DLBの臨床診断にはある程度の臨床経験および診断技術が必要である。
今回,筆者が担当する特集のテーマは「DLBの抗精神病薬に対する過敏性」であるが,DLBにおけるこの臨床的特徴はかなり以前から指摘されてきた。2005年のDLBの臨床診断基準(CDLBガイドライン改訂第2版,表1)17)のうち示唆的特徴(suggestive features)である3項目の1つに新たに追加されたことからも,DLBにおけるこの臨床的特徴の重要性が理解できる。そこで,本稿ではDLBにおける薬剤過敏性の特徴に関して,抗精神病薬にとどまらず,広く現在までに報告されている知見を整理して述べることとする。
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