Japanese
English
研究と報告
多彩な精神症状を呈した正常圧水頭症の1症例
A Case of the Normal Pressure Hydrocephalus with Various Psychiatric Symptoms
田口 博之
1
,
杉田 知己
1
,
為房 計友
1
,
大原 健士郎
1
,
山本 清二
2
Hiroyuki Taguchi
1
,
Tomoki Sugita
1
,
Kazutomo Tamefusa
1
,
Kenshiro Ohara
1
,
Seiji Yamamoto
2
1浜松医科大学精神神経医学教室
2浜松医科大学脳神経外科学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hamamatsu University School of Medicine
2Department of Neurosurgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Normal pressure hydrocephalus
,
Fluid shunt
,
Brain injury
,
Hysteria
,
Dementia
Keyword:
Normal pressure hydrocephalus
,
Fluid shunt
,
Brain injury
,
Hysteria
,
Dementia
pp.1305-1310
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204819
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抄録 ヒステリーの疑いで入院し,その後,正常圧水頭症と診断され,脳室—腹腔内短絡術により症状が劇的に消失した1症例を報告した。正常圧水頭症の症状は,いろいろな経過をとりうるものであり,また明らかな巣症状を示さないために,ヒステリー,あるいは老年痴呆との鑑別は容易ではない。しかし脳室一腹腔内短絡術の効果は劇的であり,「治癒しうる症候群」として正常圧水頭症を位置づけることは重要である。精神科領域でヒステリー,あるいは老年痴呆と診断され,治療されている症例の中に,このような正常圧水頭症が存在する可能性が高いと思われる。従って,痴呆,歩行障害,尿失禁を示す高齢者では,正常圧水頭症を鑑別する必要があると思われる。
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