Japanese
English
研究と報告
性格と習慣の形成に及ぼす異民族間養子の影響—中国残留孤児の場合
Influence of Transethnic Adoptio on Personality and Habit Formation
江畑 敬介
1
,
曽文 星
2
,
箕口 雅博
3
,
江川 緑
4
Keisuke Ebata
1
,
Wen-Shing Tseng
2
,
Masahiro Miguchi
3
,
Midori Egawa
4
1東京都立松沢病院
2ハワイ大学医学院精神科
3(財)東京都精神医学総合研究所
4東京大学
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Department of Psychiatry, University of Hawaii School of Medicine
3Psychiatric Research Institute of Tokyo
4University of Tokyo
キーワード:
Transethnic adoption
,
Personality formation
,
Habit formation
Keyword:
Transethnic adoption
,
Personality formation
,
Habit formation
pp.1183-1189
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204801
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抄録 中国大陸において戦後42年間余を過ごして帰国してきた中国残留孤児25人とその配偶者である中国人を含む家族を面接した。日本人孤児は,人生のほとんどを中国人の中で生活し,言語,生活様式,社会適応など多くの点で「中国人」として成長し,外見的には中国人とほとんど判別し難くなっていた。しかし家族面接してみると,ほとんどの日本人孤児は,容貌上の特徴に加えて,「日本人的な」表情,身振り,動作を保持していたので,日本人孤児をその配偶者である中国人から判別することはかなり容易であった。さらに日本人孤児の配偶者である中国人の報告によれば,日本人孤児25人中21人が何らかの日本人的な特徴を保持していたと考えられる。その中で,対人関係についての特徴は,離別時年齢が3歳以上の孤児の場合,とくに女性孤児の場合により多く保持されていた。気質,ある種の習癖および味覚は,離別時年齢が2歳以下の場合にもよく保持されていた。
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