Japanese
English
研究と報告
事象関連電位P300成分と精神分裂病の陰性症状
P300 Components of Event-related Potentials and Negative Symptoms in Schizophrenics
緒方 明
1,2
,
葉山 清昭
1,3
,
岡田 久則
1,4
,
上妻 明彦
1,5
,
沼田 陽市
1
,
宮川 太平
1
Akira Ogata
1,2
,
Kiyoaki Hayama
1,3
,
Hisanori Okada
1,4
,
Akihiko Kozuma
1,5
,
Youichi Numata
1
,
Taihei Miyakawa
1
1熊本大学医学部神経精神医学教室
2現:熊本大学教育学部
3現:坂本病院
4現:飯塚病院
5現:国立療養所菊池病院
1Department of Neuropsychiatry, Kumamoto University School of Medicine
2Kumamoto University Faculty of Education
3Sakamoto Hospital
4Iizuka Hospital
5Kikuchi National Hospital
キーワード:
ERP
,
Auditory P 300
,
Latency
,
Negative symptom
,
Eye contact
Keyword:
ERP
,
Auditory P 300
,
Latency
,
Negative symptom
,
Eye contact
pp.1175-1182
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204800
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抄録 事象関連電位P300成分と精神分裂病の症状との関連を検討した。検討対象は,DSM-Ⅲのschizophrenic disordersを満足し,立津の対人反応障害が認められ,P300が同定され得た25症例である。対照には正常者25症例を用いた。課題にはoddballのparadigmを,症状評価尺度にはBPRSとSANSを用いた。統計にはSpearmanの順位相関を使用した。
分裂病者では対照に比し有意に潜時が延長していた。P300成分と陽牲症状には相関は認められなかった。潜時と陰性症状には正の相関があり,潜時が延長しているものほど陰性症状が強かった。振幅は潜時より陰性症状との相関が低かった。「働きかけに対する視線の動き」を評価項目として設定すると,この項目が潜時の延長と最も正の相関が強かった。このことは,働きかけに対する目を中心にした顔の表情の動きに重きを置く「対人反応」とP300成分の潜時との関連を示唆した。
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