Japanese
English
研究と報告
作話の質問表による研究—作話における聴覚・言語的連想の脱抑制について
A Study of Confabulation: Disinhibition of auditory-verbal association
兼本 浩祐
1,4
,
兼本 佳子
2
,
濱中 淑彦
3
Kousuke Kanemoto
1,4
,
Yoshiko Kanemoto
2
,
Toshihiko Hamanaka
3
1ベルリン自由大学神経科
2ベルリン工科大学言語学科
3名古屋市立大学精神科
4国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター
1Neurologische Abteilung, Freie Universitat Berlin
2Technische Universitat Berlin
3Department of Neuropsychiatry, Nagoya Prefectual University
キーワード:
Confabulation
,
Structured interview
,
Associate learning test
,
Jean Piaget
Keyword:
Confabulation
,
Structured interview
,
Associate learning test
,
Jean Piaget
pp.965-970
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204770
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抄録 12人の臨床的に作話症状を示した患者をMercerら(1977)の質問紙を修正した28項目からなる構造化された質問表及び修正三宅式記銘力検査を用いて検査した。その結果,作話症状は,見当識及び健忘症状の程度とは比例せず,更に近時記憶に属する事柄に関する質問が最も作話を誘発しやすかった。また,近時記憶と関連する問いに対して最も高い率で作話症状をみせた3人の被検者が共に修正三宅式記銘力検査において他の被検者には観察されなかった聴覚・言語的な誤りをおかしたため,この所見の意味について考察を加えた。発生的により新しいとされる意味的結合(Piaget,1923)が,発生的により古いとされる聴覚・言語的結合を抑制できなくなることが,作話発現になんらかの意味をもっている可能性を示唆した。
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