Japanese
English
研究と報告
外来精神分裂病患者の受療状況について
A Study on the Treatment of Schizophrenic Patients
橋本 俊明
1,2
,
猪狩 中
1
,
金 英雄
1
,
石井 一彦
1
,
井上 道雄
1
Toshiaki Hashimoto
1,2
,
Tadashi Igari
1
,
Hideo Kin
1
,
Kazuhiko Ishii
1
,
Michio Inoue
1
1昭和大学医学部精神医学教室
2大内病院
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Showa University
2Ouchi Hospital
キーワード:
Schizophrenia
,
Treatment
,
Drop-outs
Keyword:
Schizophrenia
,
Treatment
,
Drop-outs
pp.137-143
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204658
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 1968年から1970年までの3年間に大内病院を初診した典型的な精神分裂病患者のうち受診歴のない141例を選び,初診後15年を経過した時点で,遡及的に,社会適応度,受療状況,生物学的要因,社会的要因,状況的要因などについて検討した。(1)初診から3カ月以内は外来治療の危機的時期である。(2)脱落には"治療関係の破綻"の他に,病状が回復し,漫然と通っている患者が,自ら中止するという場合も多いことが推察される。脱落後,医療との関わりが全く断たれないように,治療者側で中断の恐れがあることを意識して診療にあたるべきである。(3)長期間,寛解状態で外来通院をしている患者については,治療終結をすることも考えねばならないだろう。(4)初期治療を乗り越え,治療関係の破綻を防ぐためには,発病後早期に医療に結びつけるような地域的,組織的サポートシステム,外来施設の充実,外来治療の工夫,早期受診を促すような啓発活動が大切である。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.