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特集 サーカディアンリズム—基礎から臨床へ
サーカディアンリズムの同調機構—ラットにおける同調と周期に影響を及ぼす因子
The Entraining Mechanism of Circadian Rhythm: Factors affecting the phase and period of rhythm in the rat
高橋 清久
1
,
大井 健
1
,
高嶋 瑞夫
1
,
杉下 真理子
1
Kiyohisa Takahashi
1
,
Ken Oi
1
,
Mizuo Takashima
1
,
Mariko Sugishita
1
1国立精神・神経センター神経研究所,疾病研究第三部
1National Institute of Neuroscience, NCNP
pp.25-32
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204643
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I.はじめに
体内時計はそれ自身が自律的に発振機構を持つとともに,環境サイクルに容易に同調するという特性を持っている。これはいわゆる位相反応曲線にみられる位相変位機能を備えていることによるものであり,生物の持つ環境適応への重要手段と考えられる。これと同じ同調機構がヒトにも存在するか否かはまだ明らかではないが,このような同調機構の異常によって生ずると思われる,種々の病的状態に関する報告が徐々ながら増している1〜9)。かかる観点から同調機構の基礎的な解明は臨床上からも重要であろう。我々はこれまでラットを用い,その同調因子,周期に影響を与える因子の解析などを行って来たので,それらのデータを中心にして,同調機構に関する要因について述べる。
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