Japanese
English
研究と報告
抗てんかん薬とasterixis(姿勢保持不能症)—自験16症例についての臨床的検討
Study of Asterixis Induced by Antiepileptics
竹下 久由
1
,
川原 隆造
1
,
浜副 薫
1
,
長渕 忠文
1
,
挾間 秀文
1
,
当山 貞夫
2,3
,
石井 雄二
4
Hisayoshi Takeshita
1
,
Ryuzo Kawahara
1
,
Kaoru Hamazoe
1
,
Tadabumi Nagabuchi
1
,
Hidebumi Hazama
1
,
Sadao Toyama
2,3
,
Yuji Ishii
4
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
2島根県立湖陵病院
3現沖縄中央病院
4但馬病院
1Department of Neuropsychiatry, Tottori University School of Medicine
2Shimane Prefectural Koryo Hospital
4Tajima Hospital
キーワード:
Asterixis
,
Antiepileptics
,
Side effect
,
EEG change
,
Drowsiness
Keyword:
Asterixis
,
Antiepileptics
,
Side effect
,
EEG change
,
Drowsiness
pp.1299-1308
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203866
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抄録 抗てんかん薬服用中にasterixisを生じた16例のてんかん患者について,その出現に関係のある臨床的諸事項を検討した。その結果,asterixisは知能障害や片麻痺など諸種の合併症をもつ難治性例で,多種類の抗てんかん薬を併用しているものに多く認められ,その発生率は7.1%であった。他に随伴している副作用としては睡気が全例に認められたほか失調,筋緊張性低下,構音障害などが高率に認められた。起因薬剤としてはPBのほかPRM,PHT,CBZ,TMO,CZPなどが推定された。これらの抗てんかん薬のasterixis出現時の血中濃度はPBが全例で中毒域に達していたが,PHT,CBZはいずれも低値であった。
以上の結果asterixisは抗てんかん薬に共通した薬理作用に基づいて比較的しばしば出現する副作用の一つで,抗てんかん薬の過量投与防止の一つの簡便な臨床的指標になりうるものと思われた。
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